うらかたの華
一本の幹から細々と枝を出し、プチプチと花を咲かせていました。
すぐ前には高速道路も架かる大きな国道があって
その向こうには電車の駅もある。
ほとんどの人がその駅にまっしぐらで、この小道をすたすたすたーっと。
いや。
急ぐ人たちもきっと、この梅と薔薇をちらりと観ているんじゃないかな。
それでぜんぜん落ち着いた顔してなくても、一瞬はホッとしていたり
わたしだって、初めて気づいた。
横のマンションに住み着いている野良猫を見かけようと
いつも探してばかりで、
梅と薔薇には背中を向け続けていました。
細いけれど、綺麗に咲いている
さりげなく佇んでいるものや
馴染んでいるけれど2%くらい浮いてるような存在に、
無性に心がひかれます。